
食品・コスメ・日用品といろいろなシーンで身近な言葉になってきた「オーガニック」
「オーガニック=完全無農薬」という認識を持つ人もおられますが、オーガニックとは「有機」という意味。
天然由来の農薬は可能、化学合成されたものは不可という考え方に基づいています。
オーガニックは、栄養価の面で従来のものとほぼ変わりないとも言われ、その割に価格が高いことから「なんでオーガニックを選ぶ必要があるの?」と疑問に思われるかもしれません。
日本を含め、世界中のオーガニックルールは国際NGO「IFOAM(アイフォーム)」のルールをベースにして作られていると言われています。
IFOAMの考えは、人間の健康だけでなく、土・水・動植物・地球・人間、すべての健康を考える必要があるとされています。
この考えをはじめとして地球の循環を意識した考えが多く、"人間への栄養価"だけを切り取っていては見逃してしまう魅力がたくさんあります。
今回は、オーガニックの特徴についてご紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね✨
健康

米国農務省は、従来の野菜や果物には子供に危険なレベルの農薬が定期的に検出されていると発表しています。
オーガニック食品を選ぶことで、農薬にさらされる割合を90%抑えることができます。
自閉症やADHDから子供を守ることができるとの研究結果もあります。
他にも、体にさらされる農薬の量を減らすことで、神経の損傷や特定のがんのリスクが減少すると言われています。
環境
オーガニックは人間の体だけでなく、土・水・動物などすべての循環を考えた基準から以下の問題解決に繋がります。
有毒な雨

除草剤に含まれる「グリホサート」は、世界で最も使用されている除草剤と言われており、いまや使用禁止や規制強化に踏み切る動きが欧米やアジアで広がっています。
2015年にはWHO(世界保健機関)が「発がん性物質と推定する」と結論付けており、DNA損傷・不妊症・特定のがんを引き起こす危険性があると言われています。
グリホサートを撒くと、大気中へと拡散し、雨が降ると土壌に降下します。
農作物などにグリホサートが残留し、悪影響を及ぼす可能性があると世界的に問題視されています。
下水汚泥
下水処理場で発生する下水汚泥を肥料として利用した従来の農業で作られた作物から、生活用品(シャンプーなど)に含まれる化学物質が検出されたという事例があります。
オーガニックでは、下水汚泥の利用が禁止されています。
動物

アメリカでは従来の家畜の餌には抗生物質が80%使われています。
食肉から抗生物質が検出されており、人間の体重を増加させるとも言われています。
有機畜産物はヨーロッパで生まれた考え方で、薬剤に頼らず、有機栽培された飼料を与え、密飼いなどのストレスを与えずに、家畜の行動要求に沿い十分留意した飼育方法を行う畜産業を指しています。
家畜に不必要な苦痛を与えず良い生活を保障しようとする家畜福祉の考え方に基づいており、オーガニックでは、家畜に抗生物質を病気の予防目的で与えることが禁止されています。
遺伝子組換え作物(GMO)の禁止

遺伝子組換え作物を摂取することが、健康に及ぼす長期的な影響を証明する研究は未だ発表されていません。
しかし、大半の遺伝子組換え作物は、大量の化学農薬に耐性を持つように作られ、私たちが口にする作物の中にこれまで以上の農薬が入っていると言われ、オーガニックではない加工食品の多くに、遺伝子組換え作物が使われています。
遺伝子組換え作物は、老化の進行を早め、消化器疾患や肥満、食物アレルギーの増加を引き起こす可能性があることから、オーガニック食品には遺伝子組換え作物の使用が禁止されています。