スーパーフードとして紹介されることも多いキヌア。
実は世界の食糧安全保障の面でも期待されている食材です。
今回はキヌアに含まれる栄養・効果、食べ方、有効性・安全性についてご紹介します。
キヌアってどんな食べ物?

キヌアは南米アンデスで栽培されてきた擬似穀物。
高い栄養価に加えて、寒さや干ばつなど様々な環境ストレスに耐性を示す種々の品種があり、飢餓や栄養失調、貧困の根絶に役立つのではないかと言われています。(1)
キヌアの栄養・効果

キヌアが米や小麦などと比べて多く含んでいる栄養素をご紹介します。
1. たんぱく質
キヌアに含まれるたんぱく質は白米・玄米の約2倍。
たんぱく質に含まれるアミノ酸のバランスを評価するアミノ酸スコアが高いのも特徴です。(キヌア:85、精白米:65)
2. 食物繊維
食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにしたり、腸内環境を整えてくれるにもかかわらず日本人が不足しがちな栄養素。
キヌアは玄米の2倍、白米の12倍の食物繊維を含んでいます。
3. カルシウム
キヌア100g中には46mgのカルシウムが含まれています。
骨は吸収(骨からのカルシウムなどの溶出)と形成(骨へのカルシウムなどの沈着)を常に繰り返しています。
15〜74歳の女性の推奨量は1日あたり650mg。
将来の骨粗しょう症予防のためにも、不足しないようにしっかりとりたい栄養素です。
4. 鉄
鉄は血液中のヘモグロビンの構成要素。
女性は特に月経での損失により不足しがちなので注意が必要な栄養素です。
またアスリートにも鉄欠乏性貧血が多いと言われています。
キヌアに含まれる鉄は玄米の2倍、白米の5倍に相当します。
その他にも、キヌアはマグネシウム、亜鉛、葉酸なども白米・玄米より多く含んでいます。(1,2,3)
キヌアの有効性・安全性
このように高い栄養価をもつキヌアですが、「ダイエットによい」「更年期障害によい」など人に対する有効性については十分な根拠は今のところありません。
まずは食事全体の栄養バランスを第一に考えて、いろんな食品と一緒に少しずつ食べるのがよいでしょう。
また、妊娠中・授乳中の安全性に関しては信頼できる十分な情報が見当たらないため、今のところ摂取を避けるよう勧められています。(4)
キヌアの食べ方

キヌアは味にクセがないので何に混ぜても味の邪魔をしません。
お米に混ぜて炊いたり、スープや味噌汁などいろんなものに混ぜて楽しむ事ができます。
生のままでは食べられないので、サラダやヨーグルトに入れる場合は先に茹でておきましょう。
お菓子作りでパンケーキやクッキーに混ぜてもOKです。
まとめ
今回はキヌアの栄養や食べ方についてご紹介しました。
キヌアには日本人が不足しがちな栄養素が多く含まれているので食事の栄養バランスを整えるという効果が期待できます。
栄養素の不足が気になるときは、いつもの食事に少しキヌアをプラスしてみると良さそうですね。
出典
1.Angeli et al. Quinoa (Chenopodium quinoa Willd.): An Overview of the Potentials of the "Golden Grain" and Socio-Economic and Environmental Aspects of Its Cultivation and Marketization. Foods. 2020
2.厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
3.文部科学省 食品成分データベース(2021.1.6閲覧)
4.「健康食品」の安全性・有効性情報(2021.1.6閲覧)