日本人女性が不足している栄養素の一つが”鉄分”。
「疲れやすい」
「めまいや立ちくらみがある」
「肌がくすんだり、顔色が悪い」
など気になることはありませんか?
それはもしかすると”鉄不足”の症状かもしれません。
また、イライラした気分や鬱症状も鉄分不足が影響している可能性もあります。
鉄分ってどんな栄養素?
鉄は血液中のヘモグロビンや様々な酵素の構成成分です。
鉄分が足りなくなると、貧血や運動機能・認知機能等の低下を招くことがわかっています。
1日にどれくらいの鉄分が必要?
1日の鉄の推奨量は男性(18−74歳)”7.5mg”に対して、
月経のある女性(18-49歳)では”10.5mg”です。
また妊婦さんは赤ちゃんの成長や、妊婦さん自身の血液量が増えたり胎盤などにも鉄の貯蔵が必要になるため、妊娠中期・後期になると”16mg”が1日の推奨量とされています。
ベジタリアンやヴィーガンは鉄不足で貧血になる?
結論から言うと「菜食だから鉄欠乏性貧血になる」ということはありません。
多くの植物性の食品には鉄分が含まれていますし、日本人の栄養摂取状況を見てみると、実は鉄分の70%以上が植物性食品由来の食品から摂取しています。
ただし!女性が鉄を失うおもな原因は生理のときの月経血。
これには個人差が大きく、鉄欠乏性貧血の原因は鉄の摂取量や摂取源よりも出血量の方がより影響を与えていることがわかっています。
また日本人女性の鉄の摂取量は海外先進国とくらべても少なく、推奨量と比べても1日3~4mg程度足りていない傾向にあります。
鉄分は菜食かそうでないかに関わらず、特に女性は自分の生理の特徴なども考慮して意識して摂取すべき栄養素の一つ。
鉄分が豊富に含まれる食材、効率的にとる方法についても今後ご紹介していきます。

出典
1.厚生労働省.日本人の食事摂取基準2020
2.厚生労働省. 平成28年国民健康・栄養調査報告
3.Asakura K,et al. Iron intake does not significantly correlate with iron deficiency among young Japanese women: a crossesctional study. Pubic Health Nutr 2009;12:1373-83.