冬を迎える前に知っておきたい

ダウンジャケットの裏側とサステナブルな選択肢

Bene2021.11.12

寒い季節の必需品といえば「アウター」

 

特にアウターの中でも、「ダウン」は圧倒的な暖かさから冬の寒さをしのぐファッションアイテムの一つとして、1着は持っている方も多いのではないでしょうか?

 

ダウンは、アウター以外にも吸湿発散性に優れていることから羽毛布団にも使用されています。

 

・・・がしかし、

そのダウン素材が「水鳥の羽」というのをわかっている人はいるものの、「ダウン」がどのように作られているのか。

 

この季節ダウンの素材を見ると、その背景をまだまだ広く知られていないのではふと感じることもあります。

 

今回は、動物愛護の観点から、ダウン素材の生産背景や私たちができる選択肢は何なのか考えていきたいと思います!

 

 

1.ダウンとフェザーの違い

■ダウンとは、水鳥の「胸元から採れる毛」

特徴:保温性が高い

 

■フェザーとは、水鳥の「胸元以外の場所から採れる毛」

特徴:弾力性が高い

 

多くのダウンジャケットには、ダウンとフェザーが一定の割合で配合されています。

 

 

2.ダウン・フェザーの採取方法

(主に3つ)

ヴィーガンファッション講座:どうしていけないのダウン?

主に下記の3種類の方法があります。

 

■マシーン・プラッキング

食用の水鳥から機械で採取する。

 

■ハンド・プラッキング

食用の水鳥から手で採取する。

 

■ライブ・ハンド・プラッキング

生きた水鳥から手で採取する。

 

動物愛護などの立場からすると、動物を食したり、傷つけたりすることは「非倫理的」なので、もし羽毛の選択する場合、「アイダーダウン」のように落ちている羽毛を拾集するしかありません。

 

 

3. 「ライブ・ハンド・プラッキング」の裏側その①

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水鳥を飼育する農場では、水鳥が生後12週目あたりで初めて採取した後、以後6、7週ごとに何回も採取します。

 

しかし、羽毛が成長するのを待たずに採取するため、皮膚が傷つき、出血や中には骨折や窒息をする鳥も少なくありません。

 

倫理的ではない方法が取られているという報道が多く、そのためこの生産方法には否定的な声を挙げる人も少なくありません。

 

 

4. 「ライブ・ハンド・プラッキング」の裏側その②

多くの羽毛を採取するために、強制的に早く成長する餌を多く与える「強制給餌」が行われている場合もあります。

 

「強制給餌」は食肉用の家畜でも問題視されていますよね。

 

食肉の場合と同様、こうした無理な成長を強制された水鳥の羽毛は、品質が劣るとも言われています。

 

 

5.サステナブルな選択肢その①

【リサイクルダウン】

リサイクルダウンとは、使用済みの製品からダウンを取り出して再利用し、新しい製品に生まれ変わらせたもの。

 

《メリット》

・水鳥の苦痛を軽減

 

・中綿と比べて保温性が高い

 

・一次資源(新しい原料)を必要としないため、石油や水の使用量を削減することが可能。

 

 

《デメリット》

・水に弱い

 

・天然素材な分、価格が高め

 

 

■取り入れている企業

・Patagonia

・UNIQLO

・ザ・ノース・フェイスなど

 

 

6.サステナブルな選択肢その②

【中綿】

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中綿ジャケットは、ポリエステルなどの化学繊維の綿でできています。

 

《メリット》

・洗濯しやすい

 

・天然素材に比べて安価

 

 

《デメリット》

・天然素材と比べて保温性が低い

 

・化学繊維の種類によっては、環境汚染につながる場合も

→「リサイクルポリエステル」などがベスト!

 

 

■取り入れている企業

国内外に多数

 

 

7.サステナブルな選択肢その③【植物由来の素材】

花びらから生まれた生分解性素材を使用した物や木の実から採れる繊維など。

 

《メリット》

・環境にも動物にも優しい

 

《デメリット》

・あまり流通していない

 

→ 私たち消費者が積極的に選ぶことで、植物由来の素材のものが増えていくと良いですね。

 

 

■取り入れている企業

・KAPOK KNOT:木の実由来の繊維を使用。

 

・PANGAIA:花びらや野菜くずなどが原料を使用。

 

・モンクレール:トウダイグサ科の植物のトウゴマを使用。

 

・H&M :野生の花から作られたセルロース系素材FLWRDWN(PETAと提携した初のヴィーガンコレクション)

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