大豆やとうもろこしなど、さまざまな作物で行われている「遺伝子組み換え」。
遺伝子組み換えとは、作物などの遺伝子を人の手で組み換えることで、新しい性質を持たせる品種改良技術のこと。
遺伝子組み換えについて聞いたことや成分表示で見たこともあるけれど、どんなものに含まれているのかいまいちわからない、、、
そういう方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、遺伝子組み換え食品の基礎知識として、日本で遺伝子組み換え食品が許可されている8つの食品をご紹介します。
実は、現在の日本の制度では、製品中の遺伝子組み換え作物の割合が5%以下であれば、「遺伝子組み換え不使用」と表示することができてしまいます。
つまり、今回ご紹介する8つの食品やその加工品などを購入するときは、成分表示に「遺伝子組み換え不使用」と書いてあったとしても、遺伝子組み換え製品が含まれている可能性もあります。
ちなみに、2023年4月1日から、新しい遺伝子組み換え表示制度が施行されることをご存知でしょうか?✨
遺伝子組み換え不使用表示(Non-GMO)がより厳格化され、混入がない場合のみ、認められることとなります。
1. 遺伝子組み換えが許可されている食品①「大豆」

《 加工食品の例 》
1. 豆腐 / 油揚げ類
2. 凍り豆腐
3. おから / ゆば
4. 納豆 / 豆乳類
5. みそ
6. 大豆煮豆
7. 大豆缶及び大豆瓶詰め
8. きなこ
9. 大豆いり豆(1〜9までに掲げるものを主な原材料とするもの)
10. 調理用の大豆 / 大豆粉 / 大豆たんぱく / 枝豆 / 大豆もやしを主な原料とするもの
2. 遺伝子組み換えが許可されている食品②「とうもろこし」

《 加工食品の例 》
1. コーンスナック菓子
2. コーンスターチ
3. ポップコーン
4. 冷凍とうもろこし
5. とうもろこし缶詰及びとうもろこし瓶詰め
6. コーンフラワーを主な原材料とするもの(ケーキミックス粉 / 菓子類など)
7. コーングリッツを主な原材料とするもの(パン / ケーキなど)※ コーンフレークを除く
8. 調理用のとうもろこしを主な原材料とするもの
9. 1〜5までに掲げるものを主な原材料とするもの
3. 遺伝子組み換えが許可されている③「ばれいしょ」
《 加工食品の例 》
1. ポテトスナック
2. 乾燥ばれいしょ(乾燥マッシュポテトの素など)
3. 冷凍ばれいしょ(冷凍フレンチフライドポテトなど)
4. ばれいしょでん粉
5. 調理用のばれいしょを主な原材料とするもの
(ばれいしょを調理し、ポテトサラダとして販売されるもの / 真空パックの焼きいもなど)
→ 一般消費者向けに販売され、購入後、調理して食すようなものなど。
6. 1から4までに掲げるものを主な原材料とするもの
4.遺伝子組み換えが許可されている④「アルファルファ(糸もやし)」
《 加工食品の例 》
・アルファルファを主な原材料とするもの
→スプラウト(もやし)のほか、乾燥させてお茶にしたものなど。
遺伝子組換えアルファルファについては、「飼料用」として開発されたものですが、今後「食用」として流通する可能性があるため表示の対象に。
5.遺伝子組み換えが許可されている食品⑤「てん菜」

《 加工食品の例 》
・調理用のてん菜を主な原材料とするもの
→てんぷら / チップス等
てん菜を原材料として製造される砂てん菜糖については、てん菜由来のDNAの残存が確認されていないため表示の対象とされていません。
つまり、てん菜糖には、遺伝子組み換え済みのてん菜が使用されている可能性もあります。
6.遺伝子組み換えが許可されている食品⑥「パパイヤ」
・パパイヤを主な原材料とするもの
→缶詰 / 漬物 / 乾燥パパイヤ / ジャム / ピューレ / シャーベット / パパイヤ茶(葉を含む)など。
7.遺伝子組み換えが許可されている食品⑦「なたね」

遺伝子組み換えナタネは、セイヨウアブラナに除草剤耐性遺伝子を組み込んだもの。
日本で生産される「菜種油」のほとんどは遺伝子組み換え作物から作られています。
ちなみに…
■日本の菜種の自給率は0,06%。収穫量は約1500トン。
■菜種の輸入量は約234万トン、そのうちの約9割をカナダから輸入。
■カナダで栽培されている菜種の約95%が遺伝子組み換え。
■輸入の菜種は約234万トンのうち、菜種油の原料として使われたのは約98%にあたります。
8.遺伝子組み換えが許可されている食品⑧「綿花」
遺伝子組換え綿花は、日本では除草剤への耐性や害虫への抵抗性が付与されたもの。
「食用」又は「飼料用」での使用等が認められています。
■綿花:綿糸・綿織物などの製綿用など
■種子:食用油やマーガリンなど
その他にも、石鹸の原料として搾油後の綿カスは、精製して主に飼料や肥料として用いられます。