先進国の中でも、とりわけ低いといわれている日本の「オーガニック」
ヨーロッパでは学校や病院はもちろん刑務所にまで有機食材が浸透しつつあるなか、
なぜ日本では今なお「意識が高い人のモノ」というイメージが強いのでしょうか。
アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどはオーガニック先進国と言われ、
それらの国に次ぎ、アジアでもオーガニック市場が急速に拡大。
その背景の一つとして、健康や環境に配慮する人が増え、
オーガニックや有機農法の需要が高まってきていることです。
また、国ごとにオーガニック認証機関が設けられ、
ある一定の基準を満たした商品に対しては認証ラベルが付与されるなか、
日本ではオーガニックや有機農法を推奨していないため、まだまだ世界の中ではオーガニック後進国です。
今回はさまざまな国のオーガニック事情をいくつかまとめました。
1.アメリカ
■ アメリカの有機認証マークUSDAオーガニック認証

オーガニック大国でもあるアメリカ。
健康意識の高まりから、ここ20年ほどでオーガニックマーケットが急速に拡大しています。
その理由として、1994年に制定された「DSHEA法(ダイエタリーサプリメント健康教育法)」という法律。
この法律の目的は「アメリカ国民の健康への意識向上と医療費の膨張抑制」です。
この法律により、アメリカを劇的に変えたともいわれています。
セルフメディケーション、健康に対する知識の向上、十分な栄養摂取、ダイエタリーサプリメントの適切な使用等は、
慢性疾患の発症率の低減、介護費削減に貢献すると推奨されています。
2.ドイツ
■ ドイツ政府認定Bio Siegel(ビオシーゲル)

オーガニック発祥の地と言われるドイツ。
世界でもトップレベルのオーガニック市場を誇ってきました。
ドイツでは生産者、製造者、研究者などへの手厚い公的財産支援があります。
研究・開発がしやすいため、ドイツのオーガニック市場は拡大し続けています。
オーガニック専門店やスーパーなども多く点在しているため、
ドイツ人にとってオーガニックが根付いた生活がととのっています。
3.フランス
■フランスの有機生産マーク『ABラベル』

フランスには有機食品や専門に取り扱う店も多く、近年ではオーガニックのライフスタイルが定着しています。
消費者の安全な食品に対する意識の高まりから、
2001年にフランス政府は有機農業庁の設置し、有機農業の開発や促進を担うようになりました。
4.中国

中国では、オーガニック農業の成長も早く、
5年間に100ヘクタール(東京都の約5倍の面積)を超えるほどまでに成長。
2005年にはオーガニックの標準や監督機関を設置。
ヨーロッパを拠点とするオーガニック有機農業研究所 FiBLの発表によると、
中国のオーガニック農場面積は、実はアジアの中ではトップだそう。
5.日本のオーガニックの現状

日本でも、徐々にオーガニックなどが増えてきているものの、世界と比べるとまだまだオーガニック後進国です。
■ その理由として…
・日本はオーガニック認証機関も少ない
・「有機JASマーク」も取得するのに年間10万円ほどかかるため、
(例え、有機作物であっても申請していない企業や生産者が多いのが現状です。)
■ 私たちにできることは…
オーガニック製品を扱うお店に行き、まずはウィンドウショッピングや実際購入してみたりするのがおすすめです。
私たちひとりひとりの行動が波紋を呼び、日本のオーガニック市場拡大の力になるかもしれません。