みなさんは食品を選ぶ際、何を基準に選びますか?
買い物をする際の一つの目印とし参考にする方も多い「食品表示」
たかが表示。されど表示。
しかし、正しい表示と、その意味をきちんと知ることは、
日々のお買い物で、できる限り自分の健康を守るため、
また、環境の負荷を減らすことができる、
本物を選ぶために欠かせないプロセスだと私は思っています。
今回は、その中でもよく目にする、一度は聞いたことがある
・無農薬栽培
・特別栽培
・有機栽培
この3つについてまとめてみました。
ぜひ、お買い物の際に、役立てていただけますと嬉しいです。
1.無農薬栽培

無農薬栽培とは、その名の通り、生産期間中に全く農薬を使用しない「栽培方法」を指します。
しかし、全く農薬を含まない農産物をイメージする人が多いかもしれませんが、
実際は土壌に残留した農薬や、周辺から飛散した農薬が含まれていることもあります。
ちなみに…
「無農薬」という表示は、農林水産省による平成15年「改正特別栽培農産物ガイドライン」で禁止されています。(無化学肥料も同様です)
2.特別栽培①

特別栽培とは、農薬や化学肥料の量を減らして育てられた農産物のことです。
しかし、栽培期間中に農薬や化学肥料を全く使っていない農産物も、
慣行レベルの半分は使っている農産物も、どちらも同じ「特別栽培農産物」という括りになっています。
3.特別栽培②

特別栽培で注意したい点
農林水産省では、慣行農業より使用頻度を減らしても影響力がある、
タバコの有害成分に似た働きをもネオニコチノイド系などの農薬が50%以下に抑えれば
「特別栽培農産物」として販売できます。
例えば、トマトへの散布回数が67回だとして、半分の33回に減らせば特別栽培農産物に認められます。
そのため…
農薬や化学肥料が何割削減されているのかのチェックや
ネオニコチノイド系の農薬不使用の記載を確認することが大切です。
4.有機栽培

有機栽培(有機農業)とは、
化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと、
また、遺伝子組換え技術を利用しないことを基本に、
環境負荷をできる限り低減した栽培法です。
有機野菜は、「安全で美味しい野菜」の他にも、
それと同時に、自然の力を生かした環境にやさしい方法により生産されています。
ちなみに…
日本のオーガニック商品(食品)には必ず有機JASマークが貼られています。
マークのないものに「有機」「オーガニック」などと表示して販売することは、
法律で禁止されています。
5.自然農法がベスト?

環境にやさしい有機JASでも農薬は使われているため、
農薬も肥料も使っていない自然農法がベスト?という理解をしている方が多いかもしれません。
もちろん有機JAS規格以上の厳しい独自の基準で栽培されている
素晴らしい農家さんが存在するのは事実です。
しかし、残念ながら自然農法には明確な規格や基準はありません。
もちろん、第三者認証もありません。
6.まとめ

実際に生産背景がわかる情報や農家の方から直接話を聞かない限り、
自然農法が有機JASより優れているとは限りません。
有機JAS規格のポイントを参考に、そこから自分で気になるメーカーの情報を調べて、
自分が納得できる選択をしていくことが何より大切です。
有機JASのポイント(参考までに)
有機JAS規格の「有機野菜」の基準
・化学肥料、農薬を2年間使用していない土壌で育てられたこと
・遺伝子組み換え技術を使用していないこと